巨匠ウォン・カーウァイ監督のロードムービー。
出演はグラミー賞受賞歌手ノラ・ジョーンズと英国イケメン俳優ジュード・ロウ。
失恋したてのノラ・ジョーンズ演じるエリザベスは、ジュード・ロウ演じるジェレミーがオーナーのカフェで毎夜中、ブルーベリーパイを注文する。
二人はブルベリーパイを媒介にコミュニケーションを取るようになり、距離を縮めていく。
が、そんな矢先にエリザベスはNYを飛び出しアメリカ縦断の旅に出る。
簡単なあらすじとしては、「失恋→旅に出る→様々な出会いから学び変化する→新しい自分となりNYへ戻ってくる！」ロードムービーの王道。
別の視点としては、この映画はウォン・カーウァイ監督特有のカメラワークや光と色彩感にこだわった部分も注目すべきところである。そこにまたノラ・ジョーンズの歌が重なることで他のロードムービーと一線を画した雰囲気を醸し出している。
恋のせつなさを描く巨匠ウォン・カーウァイ監督の画期的な恋愛ドラマ作り。
エリザベスはジェレミーへ手紙で近況などを伝えるがジェレミーは返信できない。それはエリザベスが旅人で居場所が点々とするから返信できないのである。
通常は頻繁なコミュニケーション続けることによって距離を縮めるのに対して、本作品ではエリザベスが旅に出ることでジェレミーとの物理的な距離は離れるが、心理的距離は縮まっていくという逆の方法で成就する。
金曜日の夜、もしくは休日の前の深夜に夜更かししながら見たい映画です。
見終わったあと、ノラジョーンズの優しい歌声で余韻に浸りながら心地良く睡眠へと誘う。
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